単色印刷について
容器のシルクスクリーン印刷は、印刷版ごとの単色印刷が基本です。色ごとに版を用意して、位置を合わせて印刷します。
濃淡(グラデーション)は、ドット(網点)による擬似表現であれば可能です。
グラビア印刷のように滑らかなグラデーションにはなりません。
多色刷りについて
右図のような多色刷りのデザインは、印刷位置ばらつきによるズレが目立ちやすいことがあります。(別色部が近い・同じ間隔で並んでいるなど。)
印刷位置ズレが気になるデザインの場合は、印刷位置決めマークのある容器を選定して印刷ジグを作成(別途有償)すると印刷ズレを少なくすることができます。ご相談ください。
デザインや印刷条件を考慮し、加工が困難な場合は、原稿の修正をお願いすることがございます。
フルカラー印刷について
4つの版を使用しても、紙の印刷物のように4色分解の網点掛け合わせによるフルカラー印刷は出来ません。
容器へのシルクスクリーン印刷の場合、寸法や印刷面にばらつきの出る「立体物」に印刷するので、平らな紙のように完全な位置合わせが難しいためです。
版について
容器に印刷する場合、必ず版を作成する必要があります。
シルクスクリーン印刷の版を作成するには、まず原稿データからポジフィルムを作ります。
その後、感光スクリーンにポジフィルムを密着し露光させて版を作成します。
※容器とキャップに印刷する場合などは別工程となります。詳しくは弊社営業担当にお問い合わせください。
容器形状による必要版数例
- 円筒型容器
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1版 / 1工程
容器を回転させ表面・裏面(円周)を1回で刷ります。
- 角型 扁平な容器
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2版 / 2工程
容器の表面と裏面を分けて印刷します。
各面ごとに印刷工程数、版数が必要になります。
- 勾配のついた型/凹型/複雑な曲線型
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特殊版
容器の印刷面に原稿データを合わせた版となります。
印刷面の形や版数は印刷する容器により異なります。
※印刷範囲によっては特殊版でなくても印刷できる場合があります。
多色刷りの場合
2色印刷の場合 2版 / 2工程
多色刷りの場合、位置合わせのための冶具が必要となり、別途治具代をご請求させていただく場合がございます。
その場合は別途冶具代をお見積り致します。
印刷位置について
容器への印刷では版ごとに上下左右の印刷位置ばらつきが発生します。
容器の印刷位置決めマークの有無・印刷ジグの有無など、条件によりばらつき幅は異なります。
フォントサイズについて
シルクスクリーン印刷は目の細かい網を使用した版で印刷するため、フォントサイズの小さい文字はツブレることがあります。
文字と同様、極端に細い線を用いたデザインは、ツブレたりカスレたりして、きれいに印刷に出ないことがあります。
線が細すぎる場合は、肉眼ではほとんど分からない程度の太らせ修正を、製版作業時に行う場合がございます。
フォントサイズが小さすぎるために印刷が難しい場合や太らせ修正を行っても印刷が難しい場合は、原稿の修正をお願いすることがございます。
ツブレとは?
文字の細かい隙間が埋まってしまう現象のことを言います。不鮮明な文字になります。
新ゴシックフォントの例では、5~6ポイントくらいの文字はほぼ問題なく刷ることができます。4ポイント以下になると、容器の形状や印刷面の状態次第で、ツブレが発生することがあります。
上記のフォントサイズは目安です。条件により、フォントサイズがより小さくても印刷できる場合やその逆もあります。
カスレとは?
カスレというのは、版の細かい網目をインクが通らず、印刷がかすれる現象です。
目安として、線の太さは、一番細いところで0.1mm以上必要です。線と線の間はできれば0.2mmほどあるとツブレが少なくなります。
加工が困難な例
右図のような例は、スタンプ圧力のコントロールが難しいため、ホットスタンプ・メタリックプリントでの加工が難しい傾向があります。
図は目安ですので、条件によっては問題なく加工できる場合もあります。ご相談ください。
原稿を拝見し、加工が難しい場合は、原稿の修正をお願いすることがございます。