加飾の技術

シルクスクリーン印刷

シルクスクリーン印刷

シルクスクリーン印刷は、木やアルミで出来たワクに張ったスクリーン(極細の糸で編んだ網)の版で印刷する手法です。容器にシルクスクリーン印刷を行うと、容器表面にのったインキに厚みがあるため、とても質感ある仕上がりになります。

※印刷する容器の材質に合わせた専用のインクが多種多様に用意されています。
※樹脂ベースのインキは常温や低温で乾燥させるため、温度条件による色の変化がなく色合いの再現性に優れています。

ガラス容器のみ使用可能なセラミックインキは、最後に高温で焼き付ける際ガラス面と強固に結合するため、とても頑丈に仕上がります。このセラミックインキには本物の金を使用した金色インキがあります。着色のガラス瓶に刷ると非常に映えます。フロストガラスに使用するとマットな落ち着いた質感になります。この金色インキは、残念ながら、塗装ガラス・プラスチック容器には使用できません。500℃以上の高温で焼くので塗膜や素材が燃えてしまうためです。

シルクスクリーン印刷の追加情報

ホットスタンプ・メタリックプリント

ホットスタンプ

ホットスタンプは金や銀の箔に熱をかけて転写する手法です。
デザインに金・銀の箔のきらめきがワンポイントあると、印象がグッと引き立ちます。高級感を演出したい化粧品などを中心に、広く使われる加工手法です。

容器の表面に箔をのせ、その上から熱した凸版で圧力をかけると、容器に箔が転写されます。帯状にホットスタンプを加工する無地版や、ロゴやマークを入れるための刻印版などがあります。

ガラス容器の場合は性質上、表面に箔が密着しにくいため、いったんシルクスクリーン印刷等で下地を刷って、その上からホットスタンプ加工を行います。この手法をメタリックプリントと呼びます。

シルクスクリーン印刷だけでは表現できない金・銀などのメタリック表現は、ホットスタンプの得意分野です。印象的な金属の光沢が表現できます。

ホットスタンプ・メタリックプリントの追加情報

カラーリング(原料着色・塗装)

原料着色と塗装

同じ形の容器でも色次第でイメージがガラリと変わります。容器に色を着けるカラーリングは、原料着色と塗装の2種類の方法があります。

1.原料着色は、容器を成型する際、材料の中に、前もって色を配合する手法です。UVカット材を配合することも可能です。
プラスチックの場合、ほとんどの色を原料着色で出すことが可能な上に、再現性も高いため、この手法でカラーリングすることが多いです。パールの質感を出す素材などもあります。ガラスの原料着色は、使用可能な色味が限られています。ブルー・緑・茶など。

2.塗装は、無色の容器に後から樹脂ベースの塗料を吹きつけて、希望の色に加工します。
塗装の設備には、スプレーガン方式と静電塗装方式があります。塗装の色味は自由自在で、透き通った色や、不透明な色、キラキラ輝くラメ・パールなどの質感や、グラデーションなどの表現も可能です。主にガラス容器において、原料着色では難しい色をカラーリングしたい場合は、塗装で行います。

フロスト加工・サンドブラスト加工

フロスト加工とサンドブラスト加工

フロスト加工およびサンドブラスト加工は、ガラス表面を、すりガラス(くもりガラス)調に加工する手法です。透明でも不透明でもない、しっとりとした落ち着いた質感が特徴です。

フロスト加工は、ガラス容器を強酸性のフロスト液に漬け、表面に細かい凸凹を加工します。
フロスト液に複数の容器を一度に漬け込むことができるので、たくさん処理したいときに向いています。フロスト加工を塗装の前処理として行うと、表面にできた微細な凸凹によって塗料と触れる面積が大きくなり、しっかりと塗料が付くようになります。

サンドブラスト加工は、細かい砂を高圧でガラス容器に吹きつけ表面に細かい凸凹を付ける手法です。
フロスト加工とは一味違う風合いに仕上がります。表面に均一なサンドブラスト加工を行う場合は、機械による自動加工が可能です。また、サンドブラスト加工は工芸的な彫刻もできます。この場合は手作業で1個づつ加工します。

ラベルシール・シュリンクフィルム・化粧箱

ラベルと化粧箱の製作例

ラベルシール・シュリンクフィルム・化粧箱は、フルカラー印刷・箔加工・透明フィルム生地・白地・銀紙・つやアリ・つや消しなど、加工バリエーションが豊富で、デザインの自由度が高いのが特徴です。

ラベルシールは角形や円筒など平面のある容器に向いています。シュリンクフィルムは、フィルムが熱で収縮する性質を利用したもので、曲面の多い容器にも使用できます。

化粧箱は商品価値を高める重要なデザイン要素であると同時に、商品を保護する緩衝材としての役目もあります。