容器に求められる遮光とは


 「遮光」とは読んで字の如く「光を遮る」ことですが、完全に光を遮るなら、不透明のはずです。ですが、茶ビンでも、かなり色の濃いものから、中が透けて見えるものもあります。

 容器に求められる遮光とは具体的にどういうものなのでしょうか?

 一般に光に対して不安定な医薬品の安定化をはかるためには、これらの製剤を遮光包装にして取り扱うのが最も適切です。ここで、遮光とは、通常の取扱いや保存状態において、内容医薬品の品質に影響を与える光の透過を防いで、内容医薬品を光の影響から保護することができるものをいいます。従って、これらの製剤を紙箱のような光を透過しない容器に入れておけば、全く問題はないわけです。

 光(太陽光線)とはそもそも太陽光線とは波長の短いγ線から一番長い電波線までをいいます。しかし、実際に地上まで届くのは紫外線から赤外線までです。厳密にいうと、紫外線の中でも波長の短いUV-Cという紫外線は地上まで届きません。私たちが太陽の光を浴びるというのは紫外線UV-Bから赤外線までです。これらは、波長で識別され、単位はnm(ナノメートル)です。

光線 波長
紫外線UV-B 290~320nm
紫外線UV-A 320~400nm
可視光線 400~800nm
赤外線 800nm~


 容器に入れる内容物によって求められる遮光度は違いますが、完全遮光100%といえば、紫外線から赤外線までを遮断するものです。この場合は、先の紙箱のように完全に光を透過しないものである必要があります。

 一方、透明瓶にUVカット塗装などをする場合の遮光は、紫外線をカットすることを目的としています。この場合は、320nmまでカットできればUV-Bを、400nmまでカットできればUV-Aを遮断することができます。

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当社のお取り扱いしている遮光容器の色別遮光率一覧

茶遮光瓶の遮光率
容器の遮光
450nm辺りまでの光線をほぼ遮光しています。
茶、緑、青の3種類の中で最も遮光性が高いといえます。
緑遮光瓶の遮光率
容器の遮光
360nm辺りまでの光線を遮光しています。
青遮光瓶の遮光率
容器の遮光
青色の遮光瓶の場合、紫外線をほとんど遮光していません。

※上記表の遮光率は、容器やサイズ、作成時の環境によって変化いたします。
あくまで色による遮光率の傾向とお考え下さい