帯電防止剤とは

　帯電防止剤とは、合成繊維やプラスチック製品が静電気により帯電するのを防ぐ目的で使用される化合物です。実際には界面活性剤が帯電防止剤として利用されることが多いようです。ボトルの成形にも界面活性剤が使われています。

　静電気が発生すると、人体への電撃ショックを与えたり、火花放電により引火・爆発を誘引するなどの危険があります。また、プラスチック製品などにおいては、静電気が発生すると塵埃の吸着により成形品の外観を損ねたりします。また、印刷などの加飾時にも塵埃の吸着によりロスが増えるなどして影響があります。

　帯電防止剤は、静電気の発生を防いだり、発生した静電気を逃がすことで、静電気による障害を防止してくれます。

　ある種の界面活性剤は、滑り易くして摩擦を少なくすることで静電気の発生を抑えたり、表面に水を吸いやすい膜を作り静電気を逃がしてしまうので、帯電防止剤として合成繊維やプラスチックの中に練り込んだり、表面に塗ったりして使われます。しかし、この種の界面活性剤を帯電防止剤としてプラスチックの中に練り込んだ製品は、その界面活性剤が製品の表面に徐々に表出（滲出・ブリード）するため、印刷インキの密着性やラベルなどの接着性に悪影響を及ぼしますので注意が必要です。