抜き取り検査

 ロットを構成する品物の一部をあらかじめ定められた方式で抜き取って試験(又は検査)を行い、その結果を判定基準と比較してロットの合否を決める検査法を抜き取り検査といいます。また、製造した製品すべてを検査する方式を全数検査といいます。

 商品やサービスの品質保証はいろいろな形で行われますが、最終的には検査が重要な役割を果たします。量産品には多くの場合、抜き取り検査が適用されます。日本の独自の抜き取り検査法としてJIS Z 9015が制定されています。

<抜き取り検査用語>

検査単位…検査の目的のために選ぶ単位体または単位量。

検査ロット…検査の対象となるひとまとめの品物の集まり(ロット)。(例)入庫ロット、出荷ロット、一日の生産数など。

ロットの大きさ…ロット内の検査単位の総数。

欠点…検査単位が規格、仕様書、図面などの要求事項から外れている箇所。

致命欠点…その製品を使用又は維持あるいは保管している人に危険を及ぼしたり、安全でない状況を招いたりしそうだということが予想される欠点及び主要最終製品の基本的機能に重大な影響を及ぼすであろうと予想される欠点。

重欠点…致命欠点ほどではないが、検査単位の実用性を実質的に低下させて、所期の目的を果たすことが困難であると予想される欠点。

軽欠点…検査単位の実用性、また有効な使用、操作などにほとんど支障がないと予想される欠点。

サンプル…ロットから抜き取られる検査単位の集まり。

工程平均…供給者によって初検査に提出された製品の平均不良率、又は100単位あたりの欠点数の平均のこと。初検査とは特定の量の製品の最初の検査のことで、いったん不合格になって提出された製品の検査のことではない。

AQL…抜き取り検査でロットの合否を決定する場合に、合格にしてよい工程平均の上限。AQLとはacceptable quality level(合格品質水準)の略。

検査水準…ロットの大きさとサンプルの大きさの関係を決めるもの。

サンプル文字…ロットの大きさと検査水準によってサンプルの大きさを指定するもの

一回抜き取り検査…ロットからサンプルをただ一回抜き取り、その試験結果によってロットの合格、不合格を判定する抜き取り検査。

二回抜き取り検査…第一回目として指定された大きさのサンプルの試験結果によってロットの合格、不合格による検査続行のいずれかの判定をし、もし検査続行となった場合には第二回目として指定された大きさのサンプルの試験結果を第一回目の結果との累計成績によってロットの合格、不合格を判定する抜き取り検査。

なみ検査…工程平均がAQLと同一水準にあるときに使用するよう設計された検査方式。

きつい検査…工程平均がAQLより悪いとみなされるときに使用するよう設計された検査方式。

ゆるい検査…工程平均がAQLより良いとみなされるときに使用するよう設計された検査方式。

外観検査…主に外観不良などを目視にて行う検査。

内容量検査…空容器中に水を満たし、内容量を測定する検査。

機能検査…致命欠点や重欠点不良の機能検査項目を官能あるいは検査機器などを用いて行う検査。