ドライカラーとは

プラスチック(樹脂)は、本来無色(乳白色)に近い色です。そこに顔料などの色材を加えることで、さまざまな色彩のプラスチック製品がつくられています。

プラスチックに着色する方法は、大きく「成形後に着色する方法」「成形前に着色する方法」の2つがあります。

成形前に着色する方法とは、プラスチックの中に色材を練りこんで着色することです。プラスチックと色材を混ぜ合わせるため、中まで均一に色づけされます。この着色に用いる色材を総称して、「着色剤」と呼びます。その「着色剤」のひとつが、顔料と微粉末の分散剤を混合処理させた粉末状の樹脂着色剤ドライカラーです。

他には、マスターバッチ(高濃度に濃縮したペレットを目的の濃度となるようナチュラル樹脂に配合して着色成形品を得る)、着色ペレット(ペレット全体を目的の色調に着色し、そのまま成形品を得る)も使われます。

ドライカラーの使い方

ドライカラーの使い方は、ナチュラルペレットにドライカラーを配合し、タンブラーなどで混合してペレットの表面に均一に顔料を付着させ、そのまま成形機のホッパーに入れて着色成形品を得ます。最も安価な着色剤ですが、飛散しやすい、機材を汚しやすい、計量が難しいなど、取り扱いの面でいくつかの欠点があります。

 

マスターバッチは、分散性に優れ、均一で美しい発色を実現できるほか、飛散や機材汚染の心配がなく、取り扱いも容易です。また、着色ペレットに比べ、コストパフォーマンスに優れています。

着色ペレットは、すでに最終製品と同じ濃度(色味)に設定されているため、新たにナチュラルペレットと混ぜ合わせる必要がありません。配合の手間がなく、安定して目的の色を出しやすいメリットがありますが、製品をつくるのに大量の在庫が必要になるため、ほかと比べ高コストになります。